日々セッション

音楽について考える事、研究、スケジュール等 - 佐久本丈一

人生を変えた(狂わせた)アルバム3枚 Ⅱ

金星/ 想い出波止場 (1995

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ギター中心(出来ればキーボードや管などもない)に作られたバンドサウンドしか聴けなかった当時の私。ギターが入っていない音楽なんか論外だったのです。そんな時に聴いた金星。 奇才ギタリスト山本精一が中心となって作り込まれたサウンド。あくまでギターはアンサンブルの中の一つで、音楽(楽曲)全体をどのように構築するか、その中でギタリストはどんなプレイをすべきか、そんな当たり前の事に気付かされたのです。勿論そんな単純な「アンサンブルのお手本」なアルバムではなく、最初は訳分からな過ぎて「ハズレかな…」と思った。「こんなのロックじゃない。」

アルバム発売当時、ギターマガジンに山本精一ロングインタビューが掲載され、そこで山本氏は「ポップスをやっている」旨の事を言っていた。ポップス?俺はロックンローラーなんですけど。ポップスなんか興味ないんですけど。

ホントに?ポップス興味ない?キャロルキングもカーペンターズも好きだし、ちあきなおみ松崎しげるも聴いていた。グノーのアヴェ・マリアもマイルスのSo what?もマディ・ウォータースもニール・ヤングもダムドもマゾンナも好き。

 

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実はカラオケも好きで憂歌団や古井戸、初期のRCサクセション荒井由実なんかもよく歌っていた。 金星を聴いていると、違和感とともにどこか懐かしい気持ち良さも実は感じていて、ロックしかやらないオレ、みたいな本当にどうでも良いこだわりがバカらしくなって来たのです。まあ金星も充分にロックなアルバムではありますが。

件のインタビューを何度も読み、金星も何度も聴き、大阪への憧憬の念が沸々と湧き上がり、いつか爆発する事になるのです。

その数年後、本当に大阪へ移住します。